鳥公園の『abさんご』2022/和田ながらチーム・ワークインプログレス
文字のみで構成された小説を、どのように身体的な経験として再編成できるか。
1月に実施したワークショップでは、
『abさんご』がどのようなカメラワークによって世界を描いているのか、
そしてその文体に対してどのような演技のカメラワークで応答できるかを探った。
たとえば語り手の主観カメラなのか、テクスチャに迫る接写なのか、ドローンのような俯瞰的視野なのか。
テキストと演じる身体の関係のヴァリエーションにはさまざまな可能性がある。
また、『abさんご』を声で聴くとしたらどのように聴きたいか/聴かせたいかを参加者と共に議論した。
それは同時に、現代のテクノロジーによってわれわれが
どのような視覚/聴覚環境の中に生きているかの再検討でもあった。
今回の試演会では、ワークショップでの議論を踏まえ、
「演技の眼と耳」についてアプローチする機会としたい。
「abさんご」をインストールした俳優は、何をどこから見ようとし、
何をどのように聴こうとしながら、自らの身体を観客に見せ/聴かせようとするのか。
鳥公園アソシエイトアーティスト 和田ながら
日程=2022年7月2日(土)17:00、3日(日)14:00
会場=Social Kitchen(京都市上京区相国寺門前町699)
料金=無料、要予約
定員=各回10名
予約=こちらのフォームからお申込みください。
※両日とも、終演後に1時間ほど今回の取り組みを検討するフィードバック会を行います。
7月2日(土)17:00の回は、ゲストに美術作家・映像作家の山城大督さんをお迎えします。
7月3日(日)14:00の回は、鳥公園主宰の西尾佳織です。
作品=黒田夏子『abさんご』(文藝春秋)
代表研究者=西尾佳織(鳥公園)
共同研究者=和田ながら(鳥公園アソシエイトアーティスト)
研究協力者(出演)=金子仁司(kondaba)、古川友紀
制作・運営=鳥公園
協力=481エンジン
京都芸術センター制作支援事業
学校法人瓜生山学園 京都芸術大学〈舞台芸術作品の創造・受容のための領域横断的・実践的研究拠点〉
https://k-pac.org/openlab/#kyoten
金子仁司(かねこひとし)
岐阜県下呂温泉出身。京都造形大学舞台芸術コース卒。2006年から解散まで劇団維新派に役者として所属。振り付けなど多く担当する。2018年に解散時のメンバーとkondaba を結成、<都市>と<遊び>をテーマに街の中に上演場所を探し、仮設虚構空間をこしらえる。外部出演では和田ながら演出『オフリミット』、福井裕孝演出『インテリア』、地点『罪と罰』などがある。
古川友紀(ふるかわゆき)
1987年京都府生まれ。ダンサー・散歩家。レジーヌ・ショピノ、佐久間新、Ensemble Sonne、mimaculなどの舞台作品に出演するとともに、自作のソロダンスの発表を重ねる。近年は、歩くという素朴な行為の中にある運動の持続と世界の受けとめ方に関心をもち、「歩 録(ほろく)」と題した映像、インスタレーション、パフォーマンス、アートブックの制作もしている。
https://yukifurukawa.com/
7月2日(土)17:00フォードバック会ゲスト
山城大督さん(美術作家・映像作家)
映像の時間概念を空間やプロジェクトへ応用し、その場でしか体験できない《時間》を作品として展開する。2006年よりアーティスト・コレクティブ「Nadegata Instant Party」を結成し、全国各地で作品を発表。また、山口情報芸術センター [YCAM] にてエデュケーターとして、オリジナルワークショップの開発・実施や、教育普及プログラムを多数プロデュース。京都芸術大学専任講師。アーツプロダクション Twelve Inc. 代表取締役。豊中市立文化芸術センター プログラム・ディレクター。第23回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品受賞。