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鳥公園の読書会2024

継続中
鳥公園の読書会2024

鳥公園の読書会2024

継続中

プロジェクトについて

鳥公園の読書会も5年目です。
この読書会では、鳥公園の今後の創作に直接的・間接的に関わってきそうな本を月1ペースで読んでいきます。
ファシリテーターは2021~2023年に続き、畑明日香さんにご担当いただきます。

第1回の開催日|5月30日(木)19:30~22:00
会場|オンライン(zoom)
参加費|通年3,000円、各テーマ1,500円
課題図書|岩井克人『ヴェニスの商人の資本論』(筑摩書房)

お申し込みはこちらのサイトから

※お申し込みいただいた方を、読書会のメーリングリストにご招待します。通年参加とテーマ参加「経済」の方には5月30日の第1回までに、テーマ参加「森崎和江」の方には7月末の第3回終了後に、テーマ参加「プシコ ナウティカ」の方には10月末の第6回終了後にメーリングリストのご案内をお送りします。
※第2回以降の日程は、メーリングリスト参加者内で調整します。
※課題図書は各自でご用意ください。

以下、畑さんから今年の読書会についてのご紹介です。

—–
2024年の読書会はテーマを3つ設け、1テーマにつき3回(3ヶ月)ずつの区切りで行います。
参加方法は、テーマごとの参加/通年参加があり、通年参加の方のみ2025年2・3月のオマケ回があります。

1つ目のテーマは「経済」です。
ニュースで経済政策についてや景気状況についての話を聞いた時に、どのような政策がいいのか? どうなれば景気が良いのか? そもそも経済とは何なのか? ということが、ぼんやりとは分かる気がしつつ、その実態がよくわかっていないかも、というスタートラインから、課題本を読んでいくことで探り探りそれらを理解していこう、というテーマです。
経済について詳しくない、という方も構えず参加してみていただけると嬉しいです。
課題本は以下を予定しています。
5月:岩井克人『ヴェニスの商人の資本論』(一冊の中に複数のエッセイが収められているので、表題のものを課題図書とします。他のものも、読める方はぜひ)
6月:岩田規久男『景気ってなんだろう』(副読本『日銀日記』・『日本銀行は信用できるか』)
7月:スズキトモ『「新しい資本主義」のアカウンティング』

※岩田規久男さんは安倍前首相時代の日銀副総裁、スズキトモさんは岸田文雄内閣における「新しい資本主義」の元となる理論を提示された方です。アベノミクス~現在~未来に向けての流れをざっくりでもつかめたら、と思っています。

2つ目のテーマは「森崎和江」です。
詩人でありノンフィクション作家の森崎和江の書籍や、それに関する書籍を読む予定です。
日本統治時代の朝鮮で生をうけた彼女の著作を通して、歴史的な視点から見ると加害者である日本人として朝鮮で幼少期を過ごしたことや、その中で彼女自身が女性として経験したことなどを読み、戦争という大きなスケールから個人間のスケールまでさまざまな加害行為とその反省のあり方や、加害について語ることを考えていきたいと思います。
課題本はこれから設定予定ですが、彼女の著作と加害についての反省や加害を語ることというテーマに即した書籍を8月~10月で読んでいく予定です。

3つ目のテーマは「プシコ ナウティカ」です。
イタリアの精神医療を文化人類学の視点から紐解いた『プシコ ナウティカ』という書籍を中心に、人の主体性や、境界、責任などを考えたいと思っています。
イタリアは1960年代から1970年代にかけて勃興した精神医療改革の流れによって精神病院の全閉鎖が行われるのですが、『プシコ ナウティカ』にはその歴史的経緯や、精神医療が精神病院から地域に移行していく際の具体的な事例や、実際に地域で行われている精神医療サービスの〈演劇実験室〉プロジェクトについてなどが書かれています。その中で人間の主体性や自由についても触れられているので、11・12月でまずは2回かけてこの本を読み、1月は関連する書籍を読むことでより深く議論をしていきたいと考えています。

3つのテーマが全て終わった後の2・3月は通年参加の方々と、2024年度の読書会全体を通して、もう少し読んでみたい本をみんなで考えて読む会にしたいと考えています。
さまざまなテーマがありますが、興味のあるものに参加してみたり、逆に普段は興味を持たないものに参加してみたり、お好きなように参加いただければと思います。     畑明日香

2023年度に読んだ本

第1回:6月27日 ソポクレス『アンティゴネ』
第2回:7月31日 ソポクレス『アンティゴネ』
第3回:8月31日 ブレヒト『アンティゴネ』
第4回:9月26日 ブレヒト『アンティゴネ』
第5回:10月28日 『古事記』よみくらべ(岩波文庫書き下し、町田康の口訳)
第6回:11月24日 町田康『口訳 古事記』
第7回:12月26日 『古事記』よみくらべ(池澤夏樹訳、石川淳訳、蓮田善明訳、福永武彦訳、三浦佑之訳)
第8回:1月31日 エウリピデス『メデイア』(副読本:アポロニオス『アルゴナウティカ』)
第9回:2月27日 ハイナー・ミュラー『メディアマテリアル』
第10回:3月30日 ハイナー・ミュラー『メディアマテリアル』