プロジェクトについて
昨年・一昨年と実施した鳥公園の読書会を2022年度も実施します!
この読書会では、鳥公園の今後の創作に直接的・間接的に関わってきそうな本を月1ペースで読んでいきます。
ファシリテーターは、昨年に引き続き畑明日香さんにご担当いただきます。
以下、畑さんから今年度の読書会についてのご紹介です。
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昨年度は、『abさんご』を演劇にしてみるならば、という視点からスタートし、日本の古典作品や評論など、つながりそうなものをいろいろ読んでいきました。
2021年度のブックリストは文末につけていますのでご興味のある方はご覧ください。
本年度の1回目は、古井由吉の小説『杳子』を読みます。
この作品は、一般に難解と言われる内向の世代の代表的な作品ですが、みなさんと一緒に、わからなかった部分や印象的な部分を話し、読みほぐしていければと思います。
そして、2022年度の読書会は「翻訳」を仮のテーマとして、2回目以降の課題本を選定予定です。
「翻訳」というのは、異言語間での翻訳という字義通りの意味よりも広く意味をとって、例えば個人の感覚などの言語以前のものを言語化していくことや、他者とコミュニケーションしていくこととして捉えています。
なぜ、表現をするのか? どのようにして言葉にならないものを表現するのか? 言葉にならないものとはどんなものか? 自分と他者とのあいだに何があるのか? 集団でコミュニケーションをするとはどんなことか? などなど。テーマはあるものの、まっすぐ進むのではなく、蛇行するように読むものを決めていきたいと思っています。
『杳子』はえもいわれぬ内的な感覚についての描写が印象的であること、そして、表現として小説のさまざまな形を模索した古井由吉の作品であることから、1回目の作品として選びました。
文学作品だけでなく、評論やエッセイなども候補に入れて、みなさんと一緒に本を読んでいければと思っています。是非ご参加ください。
鳥公園の読書会2022
第1回は5月25日(水)19:30〜22:00に実施。
課題図書は、古井由吉『杳子』です。
参加を希望される方は、こちらのpeatixページよりお申込みください。
https://tori-dokushokai22.peatix.com/
◆ペース:大体月1回(第2回以降は、複数の候補日の中から一番大勢参加できる日に決めます)
◆会場:オンライン(zoomを使用します)
◆参加費:2000円で通年参加できます(第1回にご参加いただけない場合でも、こちらからお申込みいただいた方をメーリングリストにご招待するので、第2回以降にご参加いただけます)
2021年度に読んだ本
5月25日・6月12日 黒田夏子『abさんご』
7月30日 水村美苗『私小説 from left to right』
8月30日 樋口一葉『たけくらべ』の原文+現代語訳
9月22日 『たけくらべ』続き、松浦寿輝『明治の表象空間』樋口一葉の章
10月22日 幸田露伴『五重塔』
11月26日 松浦寿輝『明治の表象空間』幸田露伴の章
12月28日 紀貫之『土佐日記』
1月25日 菅原孝標女『更級日記』
3月13日 松浦寿輝『明治の表象空間』北村透谷の章
3月30日 黒田夏子『組曲 わすれこうじ』